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A01班 超セラミックスの新規合成法開発

本橋 輝樹

研究代表者
神奈川大学・工学部 教授

旧来の無機セラミックス材料は主に金属酸化物であり、触媒、電池、電子デバイスなど広範な用途に用いられています。21世紀に入ってから酸化物を超越した材料として、酸化物結晶中にN³¯, F¯, S²¯など単原子アニオンを内包する「複合アニオン化合物」が注目され、新学術領域として研究が進められてきました。一方、この新学術領域の研究において萌芽的発見がありました。すなわち、酸化物などのセラミックスに(OH)¯, (O₂)²¯, (SCN)¯, (NCN)²¯, (BH₄)¯などの分子アニオンを内包する化合物群であり、このような無機材料へ分子性ユニット(分子イオン、錯体、クラスターなど)を組み込んだ物質群を「超セラミックス」と定義しました。本計画研究では、「超セラミックス」について、固体化学的視点からのアプローチによる物質創製に向けた新規合成法の確立を目的とします。本研究班では、固体化学の専門家の合成技術を集結し、結晶格子中に分子イオン(アニオン)を組み込んだ新物質を探索します。旧来のセラミックス合成に分子性化合物原料を取り入れた特殊合成法を開発し、分子イオンの異方的形状や動的特性など新たな自由度をもつ結晶性化合物の設計構築指針を示します。

片桐 清文

研究分担者
広島大学・大学院
先進理工系科学研究科
教授

Cedric Tassel

研究分担者
京都大学・大学院
工学研究科
准教授

陰山 洋

研究協力者
京都大学・大学院
工学研究科 教授

A02班 超セラミックスの次元・形態制御

大谷 亮

研究代表者
九州大学・大学院理学研究院
准教授

無機材料の新物性を開拓し機能性を高めるためには、構造の次元性と結晶形態の制御が欠かせません。これは、電子状態や構造特性が、結晶中での強固な無機骨格の組み上がり方によって制御されると同時に、表面積や露出している結晶面、ドメインサイズといった粒体のもつマクロな因子にも大きな影響を受けるためです。
分子性ユニットを組み込んだ超セラミックスの構造次元性および結晶形態を制御するためには、結晶構造中の分子の配列と結晶成長を緻密に制御することが不可欠です。そこで本研究班では、分子を高度に扱うことを得意とする錯体化学に立脚した合成開拓を通じて、局所構造設計と分子集積技術による高次構造構築を行い、超セラミックスの構造次元性と結晶形態に着目した構造設計指針の確立を目指します。また、合成された新物質を評価班・機能班と連携して深く掘り下げることで、超セラミックス中の分子の役目を明らかにし革新機能へと繋ぎます。

高橋 雅英

研究分担者
大阪公立大学・大学院
工学研究科 教授

定金 正洋

研究分担者
広島大学・大学院
先進理工系科学研究科
教授

B01班 超セラミックスの高度構造解析

杉本 邦久

研究代表者
近畿大学・理工学部 教授

超セラミックスは、無機材料に分子性のユニットを組み込んだ物質材料を創出することにより触媒や電池等の実用材料に適用可能な新たな物性や機能を発動させます。これらの新規物質群の機能発現の起源を知るためには、直接的な物質理解の基盤となる結晶構造、組成、形態、化学状態等の巨視的・局所的構造と動的構造を正確に理解することが鍵となります。本研究班は、先端計測を駆使した様々な高度構造解析手法を適用することにより、従来のセラミックスでは予想だにしない超セラミックスの新しい化学状態・形態を解明するとともに、その場計測手法による動作機構を理解する役割を果たします。本領域を遅滞なく推進するためには、構造と化学状態の決定プロセスをいち早く確立することが最優先の課題となります。最終的には、本研究班の研究者が専門とする先端計測手法を駆使して、卓越した構造評価の研究を融合させることにより、超セラミックスが創出する新規物質群の巨視的・局所的構造及び動的な物質構造-機能相関の理解の実現を目指します。

木内 久雄

研究分担者
東京大学・物性研究所
助教

南部 雄亮

研究分担者
東北大学・金属材料
研究所
准教授

稲田 幹

研究分担者
九州大学・中央分析
センター
准教授

木本 浩司

研究分担者
物質・材料研究機構・
先端材料解析研究拠点
拠点長

B02班 計算科学による超セラミックスの設計と物性機能解明

桑原 彰秀

研究代表者
ファインセラミックスセンター
主席研究員

従来のセラミックス材料では、単原子の「イオン半径」という剛体球近似モデルを用いて構造予測にある程度の指針を与えてきました。一方、((CH₃)₄N)+、(CO₃)²¯、CN¯のような分子イオンを含む超セラミックス材料の構造は、イオン半径のような単純なパラメーターでは整理できない可能性があります。さらに、分子イオンには「分子と結晶(表面)の幾何学的相対関係」という自由度が加わり、超セラミックス材料における安定構造の支配因子はさらに複雑化すると推察されます。
そこで、本研究班では、第一原理計算を用いて超セラミックス材料における特異な構造多様性とその電子状態を逐次的に決定することを計画しています。特に、配置多様性に対する網羅的第一原理計算、遺伝的アルゴリズムによる新規相探索、超セラミックス表面における表面/分子間相互作用の理論解析等のテーマを実施する予定です。また、未踏領域である超セラミックス材料を探求するには信頼できる「コンパス(指針)」が必要不可欠です。本研究領域内の班間連携を通じて理論計算と実験に基づく「超セラミックスデータベース」を構築し、マテリアルズインフォマティクス(MI)と人工知能(AI)を駆使することで、高効率かつ予測精度の高い材料設計と物質探索を実施したいと思います。

前園 涼

研究分担者
北陸先端科学技術大学院
大学・先端科学技術研究科
教授

辻 雄太

研究分担者
九州大学・
総合理工学研究院
准教授

C01班 超セラミックスの新物性開拓

堀毛 悟史

研究代表者
京都大学・高等研究院 准教授

分子性ユニットを導入したセラミックス:超セラミックスに特有の物性と機能を開拓します。特に、従来の単元素から構成されるセラミックスと明確に区別される相転移現象や材料の機械特性を、様々な解析技術を用いて理解、制御することを目標とします。例えば、300℃を下回る融点の発現や、有機高分子並みの柔らかさ(弾性)を示す超セラミックスを顕在化させ、従来のセラミックスの硬い・均質、という考え方を拡張します。これら超セラミックスの優れた特性はバルクや界面で期待されます。伝導性、光学特性、反応選択性などに代表される機能は、導入された分子性ユニットがもたらす異方性や応答性、また非平衡現象と連動します。ミクロスケールの構造設計にとどまらず、マイクロスケールの材料形状を操り、「固体イオン伝導の整流性」や「無機-有機界面における超伝導」といった新しい現象の発見と理解を深めてゆきます。これら独自の作動原理を持つ超セラミックスは、電池・触媒などエネルギー、環境の問題解決を司る新材料として新たな価値を提供できます。

廣井 善二

研究分担者
東京大学・物性研究所
教授

山本 隆文

研究分担者
東京工業大学・
フロンティア材料研究所
准教授

江口 美陽

研究協力者
物質・材料研究機構
国際ナノアーキテクトニクス
研究拠点 主任研究員

C02班 超セラミックスの新機能創出

前田 和彦

研究代表者
東京工業大学・理学院 教授

資源・エネルギー・健康問題の解決に向け、物質材料科学分野のブレークスルーに期待が高まっています。無機材料に分子性のユニット(分子イオン、錯体、クラスター等)を組み込んだ物質群、すなわち超セラミックスでは、無機材料と分子性ユニットとの創発的融合の結果、それぞれが単独では持ち得ない機能を発揮することであります。例えば、固体光触媒C₃N₄とRu錯体分子の融合により、それぞれ単独では成し得ない常温常圧下での可視光CO₂変換が可能となります。またある種の遷移金属酸フッ化物では、結晶内分子イオン種が生成することに起因して、既存のリチウム電池に匹敵する高い電池容量が得られることが明らかとなっています。
本研究班では、分子性コンポーネントに由来する超セラミックスの構造の異方性(階層性)や化学的多様性を活用することで、電子移動の整流性を持つ材料系を合成班と協働して構築します。物性開拓を行うC01班とも連携して、電子/正孔再結合を抑制した高性能光触媒、高速・高安定駆動する二次電池材料、抗感染性と骨再生能を併せ持つ生体機能材料を開発します。従来のセラミックスでは成し得なかった低濃度二酸化炭素の高選択的変換等、分子性ユニットを含む超セラミックスならではの革新的機能を創出します。さらに、領域内から生み出される新物質群の機能評価を行うことで構造―機能相関を分析し、有望材料の抽出と機能発現のための超セラミックスの設計指針を示します。

内本 喜晴

研究分担者
京都大学・
人間・環境学研究科 教授

大矢根 綾子

研究分担者
産業技術総合研究所・材料・
化学領域
グループ長