2025年6月10日
お知らせPublication | J. Phys. Soc. Jpn. (Satake, Ramakrishnan, Kawata, Nohara) “Unusually High Europium Filling in Skutterudite with Group 9 Transition Metals: Eu(Rh0.93Co0.07)4P12”
研究成果:リンのクラスターにユーロピウムが内包された新規スクッテルド鉱化合物の発見(C03 野原)
Unusually High Europium Filling in Skutterudite with Group 9 Transition Metals: Eu(Rh0.93Co0.07)4P12
Mizuki Satake, Sitaram Ramakrishnan, Naomi Kawata, *Minoru Nohara
研究成果:ユーロピウムを内包する新規スクッテルド鉱化合物の発見(C03 野原)
スクッテルド鉱は、コバルトとヒ素からなる鉱物(化学式 CoAs3)で知られています。Coは8族(Fe、Ru、Os)や9族(Co、Rh、Ir)の元素に、Asは15族(ニクトゲン)のPやSbに置き換えることができ、多様な化学組成が実現可能です。スクッテルド鉱は、12個のニクトゲン原子からなる分子状クラスターを有する「内圏型超セラミックス」の一種としても注目されています。
本研究では、このP12クラスターの内部にユーロピウム原子が100%の占有率で内包された新規化合物 Eu(Rh0.93Co0.07)4P12 の合成に成功しました。従来、CoやRhを含む9族スクッテルド鉱で内包原子の占有率を高めるには、10 GPa以上の超高圧下での合成が必要とされてきましたが、本研究では常圧で100%の充填を達成した点が画期的です。
この成果は、今後の磁性材料、超伝導材料、さらには熱電材料の開発につながるものと期待されます。
J. Phys. Soc. Jpn. 94, 065003 (2025). (DOI: 10.7566/JPSJ.94.065003)